住み慣れた自宅で生活したいという意向をお持ちの方は少なくない一方で、高齢になったら介護や医療などの生活環境の整った場所で安心安全に暮らしたい、と考えておられる方も多いようです。老人ホーム選びにも同じことが言えます。充実したシニアライフを送るのに役立つ、老人ホーム選びで考慮すべきポイントを以下にお知らせいたします。
利用目的 ~ホームに入る理由は何だろう?~
そもそもどのような生活を望んでいるのか?生活面の便利さや安全を取るのか、将来介護や看護が必要になったときの安心を取るのか?
さらに、入居予定のホームを終の住まいとするか一時的な利用とするのか?
先を見据えて探すことも重要です。
状況は常に変化しますので、その度に決定を変更することも大切ですが、なぜ施設を利用するのかは見失わないようにしましょう。
そうしないと、入居先の実態(介護、サービス、入居者、施設の考え方等)とお客様の要望が合わなくなって失敗するかもしれません。
お身体の状況 ~介護か自立か、医療行為が必要か?~
入居される際には、健康診断書や診療情報提供書の提出や本人面談等の「入居判定」をどこの施設でも行っています。
上記の老人ホームの種類でもご紹介したように、介護認定を受けているかどうかで公的施設に入居できるか否かも変わってきます。
さらに、胃ろうなどの医療処置が必要な場合、車椅子移動が必要な場合、認知症を持つ場合、リハビリを希望される場合...
介護サービス・医療看護サービスを利用されるお身体の状況かどうかは、必ず考慮しなければなりません。
有料老人ホームなどの民間施設では対応できないところや、対応可能となっていても対応が良くないところもあります。
また、皮膚疾患等の感染症がある場合は受け入れできないところも多くあります。
予算 ~入居時の初期費用は?毎月いくらかかるか?~
入居時にどれほど初期費用が発生するのか、毎月の費用はどれくらいか等、資金計画を立てて予算を設定することは欠かせません。
特に各施設の重要事項説明書には事細かく書かれていますが、解りにくい点もあります。
以下の費用・経費がどれほどするのか事前にチェックしておきましょう。
予算 ~入居時の初期費用は?毎月いくらかかるか?~
入居時の費用
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敷金・礼金 (預り金の額、退去時の敷引金額・修繕費用、償却期間、償却率)
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入居一時金 (初期償却金、償却時の費用、償却期間、償却率、未償却分返還金の有無)
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毎月の費用
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家賃 (+介護保険自己負担分)
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水道光熱費 (家賃と込々か別途支払いか)
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食費・おやつ代
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病院への送迎・付き添い費用
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雑費の扱い(おむつ等の介護用品代、医療物品代など)
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もちろん費用面で負担がより少ないことに越したことはありませんが、金銭面のみに惑わされず、環境住居やサービス等の質について多角的に検討するよう細心の注意を払うことをお勧めします。
環境・住居 ~立地・施設利便性は?居住・共有スペースは?
「住みやすさ」「過ごしやすさ」はとても大事なポイントです。ご本人に合っている落ち着いたやすらぎのある居住空間なのか、施設内の共有スペースは確保されているのか、トイレや風呂、食堂の場所・スペースはご本人にとって不便に感じないか、ご本人が快適に感じる生活空間かどうかを検討しましょう。
都市部を選ばれるか郊外を選ばれるかによって違いは出てきますが、下記の点の確認もしておきましょう。
環境・住居 ~立地・施設利便性は?居住・共有スペースは?
立地面
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・閑静な場所か
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・普段の買い物がしやすいか
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・車や電車等での交通の便は良いか
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・災害時の心配が小さい位置か
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・総合病院等の医療施設が近隣にあるか
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設備面
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・居室スペースは十分広いか
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・室内の設備や共有設備が希望する生活スタイルに合っているか
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・緊急通報装置や防災対策は十分されているか
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日常生活・サービス
ホームに入居することの大きなメリットは、周りの高齢者と共に暮らせることで寂しさを感じなくさせること、また普段から常駐のスタッフがいることによってご家族が安心できることです。しかし、ご本人の日常生活に関わる人たち(入居者・スタッフ)がどんな方なのか、どのくらい関わってくれるのか、ご本人が不便に感じないようどれほど柔軟にサービスを提供してくれるのか、これらは費用面と同じかそれ以上に考えるべき点です。
また、料金面と照らし合わせて質の良いサービスがなされているか、施設スタッフが心身とも充実しているかを判断材料とできます。
さらにどんなことをチェックできるか、以下の点を確認しておきましょう。
日常生活・サービス
・介護サービスは施設内で適用されるか、外部利用の場合スムーズに連携してもらえるか
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・生活支援サービスには何が含まれるのか(居室の清掃、洗濯、ゴミ収集、金銭管理、買い物の付添い・代行など)
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・医療サービスが必要になった場合・通院や入院のときはどのような対応になるのか、連携先の医療機関はどこか
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・看護師やリハビリスタッフは常駐しているか
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・サークル活動など入居者同士の交流をどれほど行っているか、何を行っているか(年中行事等)
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・スタッフの配置はどうか。人数の少ない状態が続いていて質(特に衛生面)が落ちていることはないか
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・食事にどのくらい力を入れているか。治療食や介護食その他の要望に対して個別対応してくれているか
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・外出や外泊を認められるときの対応はどういうものか
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・喫煙・アルコール摂取は可能か
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経営姿勢
老人ホームに入居するということは、突き詰めれば「大家」である経営会社の住まいで「店子」として暮らすことを意味するでしょう。
ですから、経営会社に介護事業の実績があるかどうかや、運営面や情報開示面でしっかり信用があるかどうかは見逃せません。
それだけでなく、経営姿勢として何を重視しているのか、設備面を優先させているのかサービス充実を優先させているのかを見極めなければ、後になって住み替えをしなければならなくなる可能性もあります。
これらを確かめる点で、施設見学や施設体験入居は大変役立ちます。面談では、営業の方(入居相談員)以外に施設長さんに同席をお願いしたり、場合によって看護師・リハビリスタッフの同席をお願いしたりできれば良いでしょう。
サービスや施設の雰囲気だけでなく、責任者・スタッフの人柄や運営会社の考え方、現場の対応などをより深く理解できます。
~終わりに~
上記に載せた事柄について検討していただければ、どんな老人ホームがご本人様にふさわしいものか見極める参考になると思います。
ただし、ご本人様やご家族様のご要望・ご希望全てにかなう施設というのはおそらく見つからないでしょう。
ですから、「この条件は外せない」「この希望だけは必ず満たしてあげたい」「この部分の不満なら大丈夫そう」というように、優先順位をひとつずつ明確にしていきましょう。
ホームに入居された後でも、ご本人に合わない面が発生したならば、無理をして我慢する必要は全くありません。
何よりもご本人様の生活に合った施設を選ぶのであって、施設側のライフプランに合わせるものではないことを覚えておきましょう。